水彩画技法書年表

水彩画の技法に関する古書を調べた中で、分かった範囲を年表にしてみました。

元祖というか最古のものは明治34年に出版された大下藤次郎の「水彩画の栞」でした。

それが火付け役だったのでしょうか、水彩画がブームになった明治後半の出版数が一番多いようです。著者で多いのは、水彩画の普及に尽力したといわれる三宅克己が一番で、ここに載せた技法書以外に水彩画集も多くあるようです。

 

 

出版年 書籍名 著者 出版社
1901 明治34年 水彩画之栞 大下藤次郎 新声社
1902 明治35年 洋画手引草 森林太郎・久米桂一郎・岩村透・大村西涯 画報社
1903 明治36年 水彩画一斑 小林鐘吉 中西屋書店
1903   水彩画初歩 松原巌 矢島誠進堂
1903   鉛筆水彩写生画法 大槻鹿輔 服部書店
1904 明治37年 水彩画 小山正太郎 成美堂
1904   水彩画法 織田一磨 片山富文館/武田交盛館
1904   水彩画一斑 岡田三郎助・小林鐘吉 中西屋書店
1904   水彩画階梯 大下藤次郎 内外出版協会
1904   彩画帖第1輯 三宅克己 中西屋書店/文房堂
1905 明治38年 水彩新画帖 三宅克己 矢島誠進堂
1905   水彩画手引 三宅克己 精美堂
1905   洋画一斑 橋本邦助・辻永 服部書店
1905   水彩画写生の栞 南部春湖 井上一書堂
1905   水彩画及油絵画法 中村勝治郎 大學舘
1905   水彩便覧 本多錦吉郎 彰技堂
1906 明治39年 画道一斑 中村不折 日本葉書会
1907 明治40年 水彩画指南 三宅克己 日本葉書会
1907   風景水彩画集(描法解説)第1輯 三宅克己 弘成館
1907   水彩画法 女性と趣味 丸山晩霞 日本葉書会
1909 明治42年 写生及製図用 水彩絵具之栞 小林鐘吉 中西屋書店
1909   最新水彩画法 石川欽一郎・丸山健策・鵜沢芳松・大下藤次郎 精美堂
1911 明治44年 写生画の研究 大下藤次郎 春鳥会(目黒書店)
1913 大正2年 我が水彩 石井柏亭 日本美術学院
1914 大正3年 水彩新天地 丸山晩霞 日本美術学院
1914   写生新説 石川欽一郎 日本美術学院
1917 大正6年 水彩画の描き方 三宅克己 アルス社
1917   スケッチの描き方 中澤弘光・森脇忠 アルス社
1921 大正10年 みづ画を学ぶ人へ 三宅克己 極光社
1926 大正15/昭和元年 水絵の技法 後藤工志 アルス社
1929 昭和4年 水絵の手ほどき 赤城泰舒 博文館
1930 昭和5年 水彩画の描き方 南薫造 崇文堂出版部
1932 昭和7年 みづゑ描法 間部時雄 春陽堂
1934 昭和9年 アトリエ美術大講座 水彩画科(全5巻) 北原義雄(編) アトリエ社
1937 昭和12年 初心者の為に 水彩画の描き方 東京洋画研究会編 富文館
1942 昭和17年 水彩画総技法 中澤弘光 崇文堂
1943 昭和18年 水絵―技法と随想 中西利雄 綜合美術研究所
1955 昭和30年 水絵の技法 中西利雄 美術出版社
1964 昭和39年 水彩画を始める人へ 富田通雄 アトリヱ出版社

三宅克己

1874(明治7)1954(昭和29)